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本の情報
- 教養として学んでおきたい能・狂言
- 葛西 聖司 (著)
- 2020/4/24
概要
伝統古典芸能である能・狂言について学べる入門書。能や狂言に興味はあるがまだ鑑賞したことない人にとって、足を運ぶきっかけを与えてくれる一冊。
【引用】個人的に気になったポイント
狂言は、大きな声で表情豊かに語りかける。マイクロフォンがない時代に、野外で多くの観客が楽しんだ。遠くまで響く声を少年時代から鍛錬しているのは能と同じ。能と違うのは、登場人物たちの動きが、非常に具体的だということ。むしゃむしゃ食べる、ごくごく飲むなど、擬音も使って理解しやすい。
なんといっても、今日、能楽がこうして存在するのは、絶大な権力を持った江戸幕府のおかげである。多少の波乱はあっても二百五十年の平和を維持し、国民の暮らしと文化の基礎を構築できた。秀吉が晩年愛した能を家康も拒まなかった。秀吉、家康が慶長元年(一五九六年)大阪城で『二人静』を演じた記録もある。
楽器が損じた場合、扇で拍子をとり、膝を打ちながら代わりが届くまで続ける。さまざまなアクシデントは見所の側の一瞬のひるみだけで、舞台上では粛然と進行する。おおげさではなく「命をかけて舞台に臨んでいること」を実感する意味で格別と書いた。
静謐さの中、息をつめ真剣さを呼ぶ舞台は、共演者たちが自分の芸を年齢経験に関係なく、互いに測り合い、それでいて妥協を許さず鍔迫り合いをし、戦い磨き合っている。それも舞台進行中にというおそろしさ。それゆえの緊迫感が、失礼ながら見所からの最大の楽しみ方になる芸能だと思って接していただきたい。
読んでから見たら「違っていた」という人もいるだろう。実はわたしはそれを望んでいる。「違う」という感覚が大切だから。つまり、みなさんが個人の意見を持つということ。
本書から得た気づき
奥深い能楽の世界
能楽に関する知識が全くない中で本書を読んだが、奥深い能楽の世界を垣間見ることができた。
いくつかの演目の物語における説明とともに著者によるその見所や考察などが解説されており、まだ鑑賞したことない自分でも読みながらその様相や面白さを感じることができた。
しかしながら本書で「静謐さの中、息をつめ真剣さを呼ぶ舞台」とあるように、実際に体感するその迫力や熱意は体感しなければ感じることはできない。
本書で学んだ能楽に関する知識や見所、歴史などを踏まえて実際に能楽を鑑賞してみたい。
実践ポイント
能・狂言を鑑賞する
本書を読み能楽について興味を持った。実際に能楽堂に行って能・狂言を鑑賞してみたい。
具体的に
実際に能楽堂に行って能・狂言を鑑賞する
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