生命科学的思考【高橋祥子】 / レビュー・感想

 

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本の情報

  • ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考
  • 高橋 祥子
  • 2021/1/6

 

概要

多様性・意志・感情・寿命・時間など「生命の原則」を知ることで、新たな視点を持って生きることができる。本書はそんな生命科学的思考について紹介している。

 

【引用】個人的に気になったポイント

たとえば他人に対して怒りを覚えてしまうのは、自分の敵に対応するためであり、孤独感は人と集団で生活することで生き延びてきた人類が、一人で生きることを避けるための機能です。こうした感情は、生きていく上での危険を察知し、その危険から離れたり排除したりするために必要な機能として存在します。ですから、こうした感情を抱いたときは、「自分が感じている」というよりも、「遺伝子に搭載された機能が正常にはたらいている」と客観視するように私は心掛けています。メカニズムやその意味を知っておくと、非効率で面倒くさいものにも思えるネガティブな感情とも向き合いやすくなります。漠然と、不安だ、怒りっぽくなっている、寂しい、と感じるのではなく、遺伝子が正しく機能していると認識して、何に対して不安や怒りを覚えているのかと客観的に分析できるようになると、解決策が見えてきます。

 

たとえば、人生の充実度について考える場合に、仕事の効率や生産性を他人と比較したり、自分と同じ年齢の人とどちらがより活躍しているかを比較することにあまり意味はありません。それよりも、自分が生まれてから死ぬまでの「生命変化」や自分の「行動変化」を軸に、自分がどうありたいかを考え、どう過ごすかを決めるほうが生きやすくなると私は考えています。同い年の人が輝かしく活躍しているのを見たとしても、その人と自分の行動変化の時間軸はまったく異なるものです。

 

思考停止に陥っているときは、気づいた頃にはいつのまにか命をただ失っていることが多く、逆に最大限に思考をしてからその時間を使った場合、または意識していなくとも真剣にがむしゃらに思考せざるを得ない状況に身を置いていた場合には、命を燃やして輝いていることが多いです。

 

たとえばラットの研究では、脳の発達は生まれ持ったものや幼少期だけで決まっているわけではなく、大人になっても環境次第で変わることが示されています。思考を深めるには、生まれ持ったものよりも、どのような環境に身を置くかのほうが大事です。だからこそ、考え抜かないといけないカオスな状況は自分の思考を形作るのに有効なのです。

 

彼らを観察することで見えてきた特徴、それは「目指したいものに対して覚悟を決めている人は、葛藤しない」ということです。では、覚悟とは一体何なのでしょうか。私が考える覚悟とは、「不確定で曖昧な未来に対して、どうなっても絶対に後悔しないと最初に決め抜いておくための、碇のようなもの」です。大切なことは、「最初に決めておく」という時間軸です

 

 

今日一日の過ごし方から人生の大きな選択まで、事業も研究も職業選択も結婚も生き方も、すべて同じです。後から悶々と悩むよりは、「これは絶対やり切る」「それでダメでも後悔しない」と先に決め切っておくと、自分に胸を張って清々しく挑戦ができます。

 

もし「主観的な意志を持ちたいけどどうすればいいのかわからない」という人に向けて私がアドバイスするとしたら、「カオスな環境に身を置くべきだ」と伝えます。カオスとは混沌という意味で、「秩序がなく、予測が不可能な環境」と表現できます。予測が不可能とビジネスと人生の「見え方」が一変する生命科学的思考いうのは、理不尽と言い換えてもよいでしょう。予測できない環境の中で理不尽に思えることに直面したときにこそ、自分が何を求めているのかについての認識が深まり、初めて理想とする世界を決めることができます。

 

 

本書から得た気づき

「最初に決めておく」という時間軸

覚悟がある時とない時の違いは、この最初に決めていることが重要になっている。覚悟がある時は、やり前からある一定の期間まではやり切ると決めているため迷いがなく突き進むことができる。

一方、覚悟がないと不安や不満などが出てきた時に悩み、やり切ることが難しくなる。

本書ではこの覚悟を「不確定で曖昧な未来に対して、どうなっても絶対に後悔しないと最初に決め抜いておくための、碇のようなもの」と表現しており、とても的を得ているように感じた。

仕組み的にこの覚悟を自分の中で設定し、やり切ることを積み重ねていきたい。

 

カオスな環境に身を置く

主観的な意思を持つためにはカオスな環境に身を置くことが効果的であると本書ではアドバイスしている。

予測できない環境の中で理不尽に思えることに直面したときにこそ、自分が何を求めているのかについての認識が深まり、初めて理想とする世界を決めることができるという。

また、考え抜かないといけないカオスな状況は自分の思考を形作るのに有効だという。

たしかにカオスな環境に身を置くことは辛いことやしんどいことが多々あるだろうが、まさに命を燃やして輝くのだろうと思う。カオスな環境に身を置いていくことを意識的に選択していきたい。

 

実践ポイント

最初に決めておく

何かやりたいことややろうと決めたことはあらかじめ期間を持ってやり切ると決めておくようにする。

具体的に

7-9月でやりたいことリストで10個達成させる

 

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