脳とは何か【ニュートンプレス】 / レビュー・感想

 

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本の情報

  • Newton別冊『脳とは何か』
  • ニュートンプレス
  • 2019/11/18

 

概要

脳を理解するための基礎知識や脳研究の最前線など、驚異的な能力を発揮する天才たちの脳にも迫った本書。

また「アルツハイマー病」、「脳卒中」、「うつ病」、「依存症」といった脳の病気についても徹底解説している。

 

【引用】個人的に気になったポイント

銀河系には,1000億以上の星が輝いている。それらの星どうしが,互いに通信回線でつながっているようすを想像してみてほしい。しかもその接続状況は、分きざみでめまぐるしく切りかわっていく。そうした通信回線がつくるネットワークが,はげしい情報のやり取りをくりかえしながら,銀河系にある1000億以上の星を一つにつないでいる。気の遠くなるような,とても私たちのイメージの中におさまることのない壮大な世界だ。このような世界こそが,私たち一人一人がもっている脳の姿である。私たちの脳では,電気信号を伝える機能に特化した細胞である「ニューロン」がおよそ1000億も集まって、天文学的な規模の情報社会をつくっているのだ。

 

スパインの大きさは学習による刺激でのみ変化すると思われていた。ところが,学習による刺激がなくても大きさが“自然に”変動していることが,河西教授らの研究で明らかになってきた。ラットの海馬の神経細胞を培養し、数日にわたって観察したところ,大きくなったり、小さくなったり,スパインの大きさは日々変動していたのだ。河西教授は,このスパインの変動から、記憶や学習の不思議な性質の一部を説明できると考えている。「新しい記憶,つまり小さなスパインは、変動によってすぐに消滅してしまう可能性が高いです。知識を身につけるためには、くりかえし学習してスパインを大きくする必要があります。また,古い記憶は,すでにスパインがかなり大きくなっており,多少の変動くらいではなかなか消えないので、忘れにくいのだと考えられます」

 

脳が行う活動のほとんどが,私たちの意識にのぼらないところで潜在的に行われているというのは,確かなようだ。

 

夢をみる睡眠(レム睡眠)中では、この抑制がはずれ,おきている間には結合がおさえられていた神経細胞もネットワークに組みまれてくる可能性があるという。これらの神経細胞の活動によって,目覚めている間はつながりあうことのなかった記憶どうしがつながり,通常では考えつかないような記憶の組み合わせが生じて斬新なアイデアがひらめくのではないか,というのである。

 

「眠る前に集中して考えていたことは、睡眠中に強い記憶となって保存されることが知られています。あくまで仮説ですが,天才は非常に集中力があるので、眠る前に集中して考えていたこととほかの記憶との間につながりが生まれやすくなるのかもしれません」

 

依存症を引きおこすような薬物を摂取した場合,報酬系が強制的に興奮させられ,がんばらなくても快楽が得られる。すると,薬物と快楽を結びつける学習がおき,ふたたび薬物を摂取したいと思うようになってしまう。そして,薬物の摂取をくりかえすうちに、今度は脳が快楽に“慣れて”しまい,それがないときに強い不快感を覚えたり,薬物のことをつねに考えたりするようになるのだ。

 

本書から得た気づき

脳と銀河

本書では1000億もある脳内の神経細胞同士の働きを銀河の星々がつながっていることに例えていたが、とても興味深かった。

たしかに銀河の星々が互いにやりとりを繰り返しながら一つに繋いでいると考えると脳内ではとてつもないことが行われているのだと改めてイメージすることができた。

宇宙と脳細胞はとても似ているという話もあるが、何か繋がりを感じざるを得ない。超ひも理論と宇宙の関係もそうだが、ミクロとマクロの世界の行き着く先は同じなのだろうか。

素粒子の元であるひもと宇宙の果てが繋がっていると考えるとワクワクする。

参考:
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/11/post-95038.php

 

夢の中では記憶が自由自在に繋がる

レム睡眠中の脳内では目覚めているときには起こらなかった神経細胞同士のランダムな結合が生じるようになるという。

この夢の中のランダムな神経細胞のつながりによって、天才たちは多くのひらめきをしているらしく、ドイツの科学者アウグスト・ケクレは原子が連なって蛇のような動きを見てベンゼン環を思いついたという。

たしかに朝起きたときにどうしてこんな不思議な夢を見たのだろうと思うことは多々ある。自分の記憶と想像の範囲外の何か(これもどこかで影響を受けているのだろう)がつながり不思議すぎる夢を見る。

脳内でこのような活動が行われていると知ると夢のなかから新しい斬新なアイデアを探し求めたくなる。

 

実践ポイント

夢の不思議

夢から覚めるといつもどうしてこんな夢を見たのか不思議な気持ちになっていたが、本書を通して夢の中では神経細胞同士がランダムに結合しているためと学ぶことができ納得した。

夢の不思議を通してより脳の神経細胞のつながりについて学んでいきたいと思った。

具体的に

脳の神経細胞に関する本を読む

 

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