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本の情報
- 執着しないこと
- アルボムッレ・スマナサーラ
- 2014/10/10
概要
老・病・死への不安など、自分自身を生きづらくしている執着を捨てることの大切さをわかりやすく説いた本書。仏教的観点から新しい視点と知恵を与えてくれる。
【引用】個人的に気になったポイント
「カチン」という感情を感じたらすぐさま、「いま、怒りがある」と、その感情を実況中継するのです。すると、不思議なことに、怒りの感情がスーッと消えていきます。なぜ、感情が消えるのか。それは、感情を実況中継することで、受け取った情報に対して主観が解釈しようとするのをストップできるからです。
緊張のまっただ中にいるときに、「これは『緊張』という感覚だ」と客観的に実況中継するのは簡単ではありません。そこで、自分を「他人」として見る方法を使うのです。第三者の立場で自分を見ることで、自分の中にいまある感情をコントロールしやすくなります。
結局、すべての生命が、ほぼ同じコピーといってもいいのです。とりわけ、心の働きについては、一切の生命にほぼ同じ法則が当てはまります。生命の心とは、意外にワンパターンなのです。だからこそ、自分の気持ちがわかるようになると、おのずと他人の気持ちもわかるようになるのです。
実際、この世の中には、何ひとつ「私のモノ」はありません。自分の身体だって「私のモノ」ではありません。自分の心だって「私のモノ」ではありません。なぜなら、それらを100%自分で管理することは不可能だからです。身体はいずれ壊れるし、心だって自分の思い通りにはなってくれません。さらに、私たちは、死んだときに何ひとつも「私のモノ」を持ちません。自分の肉体も、知識も、お金も、家族も、友達も、すべてこの世に置いていきます。というより、この世にお返しするといったほうがいいかもしれません。
不要な知識を入れないようにするためには、「この知識は入れるけど、この知識は入れる必要なし」という「ふるい」をつねに用意しておくことが大切です。
将来の夢を妄想することなく、また未来にとらわれることなく、「いま、やれるところまでやってやろう」という姿勢で生きることです。
毎日ただ、笑っていればいいのです。ただ笑っているだけで、エネルギーがどっとチャージされます。笑うことで、エネルギーがあふれていくのです。
本書から得た気づき
自分を客観的に捉える
本書では怒りや緊張などを客観的に実況中継することで、感情をコントロールすることができる説く。たしかに一度自分を第三者視点で俯瞰してみると、冷静になることができる。
自分を意識しすぎることは苦しくなることであり、自分という小さな世界に囚われてしまう。もっと客観的に抽象的に自分や社会、世界を捉え直すことで今まで見えてこなかったものが見えてくる。
日頃から自分の感情に気づき、俯瞰して捉えることを意識する。
自分のものなどない
本書で「この世の中には、何ひとつ私のモノはない」とあり、たしかにその通りだと思った。自分の持っている物やお金、体も心も早かれ遅かれ全てなくなってしまう。
だからこそこの世界のほんの一部である自分や自分のものは借り物であると理解することが大切である。そうすることで、あらゆるものに対する執着が消え、平穏に生きることができる。
前に人間の一生とは海の波のしぶきに過ぎないという例えを聞いたことがある。海はこの世の全てあり、波が立つことで一瞬の間、海から無数の滴が分離するがまた海に溶け込む。
我々の一生はその海から一瞬分離した滴にすぎないと考えれば、執着や孤独も和らぐ。
ひも理論を知ったときもそうだが、この世の全ては根底では同じであり、つながっていると感じざるを得ない。
実践ポイント
この世の全てはつながっている
哲学、宗教、歴史、自然科学、文学などの本を読んできたが、全てがつながっているように思えてならない。もちろんまだまだ知らないことだらけだが、根底にあるものに共通した何かを感じている。
今後も様々な分野について学び、思考を深めていきたい。
具体的に
あらゆる分野について学び、抽象化した学びや思想をアウトプットする
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