少し前から脳内物質について興味があり、手に取った。
脳を最適化すれば能力は2倍になる / 樺沢 紫苑の詳細はこちら【Amazon】
こんな人におすすめ
- 脳科学・脳内物質に興味がある人
- 仕事や作業効率をアップさせたい人
本の情報
- 脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法
- 2016/12/14 発売
- 樺沢 紫苑
概要
脳内物質の中でも重要な役割を担っている以下の7つの脳内物質を元に、やる気、集中力、学習力、記憶力をアップするための脳科学的方法をわかりやすく紹介している。
- ドーパミン
- セロトニン
- ノルアドレナリン
- アドレナリン
- アセチルコリン
- メラトニン
- エンドルフィン
仕事効率アップ術や集中力の高め方などに関連する本は巷にあふれているが、本書は脳科学的アプローチから紹介することでより納得感を高めている。
脳内物質というと難しいイメージがあるが、本書は難解な科学的な説明は極力省いているため、事前に知識がなくてストレスなく読み進めることができる。
また、具体的な事例を用いながら紹介しているため、すぐにでも取り入れることができるようになっている。
脳内物質の概略は以下の通り。
【引用】個人的に気になったポイント
脳科学的に考えれば、「幸せは脳の中にある」と言えます。幸福は誰かからもらうものではなく、どこかから手に入れるものではない。われわれの脳の中に、幸福を発生させる物質が存在しているのです。
脳内物質を適量分泌させるには、規則正しい健康な生活習慣が不可欠です。
ドーパミン
ドーパミン系が担う強化学習の仕組みこそが、人間がモチベーションを維持し、より高い自分へと成長・進化するために不可欠な脳内システムです。
「短期間で実現可能な目標」を立てて、その実現をくり返すことで、大きな目標を達成するほうが効率的です。
逆に言えば、全くイメージできない目標は実現しません。細かいマイルストーンを設定できないからです。
今の自分に満足し、「現状維持で大丈夫」と思った瞬間、ドーパミンが出なくなります。こうなると現状維持どころか、記録は悪くなっていきます。
「目標達成→報酬ゲット」という仕組みを、ゲーム化してしまうのです。
脳はチャレンジを好みます。チャレンジして、達成して、幸福になります。
ノルアドレナリン
ノルアドレナリンが分泌されることで、心拍数は高まり、脳や骨格筋に血液が行き渡ります。「闘う」にしても「逃げる」にしても、瞬発的な行動がとれるように、脳と身体を準備状態に持っていく、それがノルアドレナリンの役割です。
あなたもなにか仕事をする場合、漫然と取り組まないことです。期間や時間を限定するだけで、効率をアップさせることができます。
・ノルアドレナリン型モチベーション……「恐怖」や「不快」や「叱られること」を避けるために頑張る・ドーパミン型モチベーション……「楽しさ」「ご褒美」「ほめられるなど」の報酬を求めて頑張る
脳科学的に言うと、うつ病は「ノルアドレナリンやセロトニンが枯渇した状態」です。
アドレナリン
主に脳と神経系を中心に活躍するのがノルアドレナリン、脳以外の身体の各臓器、特に心臓や筋肉を中心に影響を及ぼすのがアドレナリンといった違いがあります。
一流の仕事人は一流の趣味人であると痛感させられます。
心臓がドキドキするということは、緊張の証拠というよりも、「脳も身体も最高のパフォーマンスを発揮できる状態」と理解するべきなのです!
セロトニン
カーテンを開けて寝ると、朝、スッキリと目が覚める。
私は目が開いてから5分くらい、そのままの状態で横になっています。セロトニン活性化のために、日光を取り入れるわけですね。
セロトニンが活性化された状態では、心は落ち着き「平常心」となります。いわばセロトニンは「癒しの物質」なのです。
セロトニンの幸福感は「安らぎ」や「くつろぎ」といった感情を基盤にした穏やかなものです。私たちが幸せを感じ、癒されるためには、セロトニンをしっかり活動させることが不可欠です。
メラトニン
私は、最も重要な仕事術を1つ選べと言われたら、「きちんと睡眠をとること」と答えます。
夜にメラトニンを分泌させて、きちんと睡眠をとることが、健康のためにも非常に重要なのです。
アセチルコリン
「やる気が出ないから、とりあえず始める」というのが、脳科学的には正しいモチベーションアップの方法です。
側坐核が自己興奮してきて、「アセチルコリン」が分泌され、どんどんと気分が乗ってきます。ですから、「やる気が出ないから、とりあえず始める」が正しいわけです。
具体的には、「新しい物に出会ったり、初めての場所に行ったとき」「興味を持ったものを調べたり、探索しているとき」「新しい刺激が多い環境で生活するとき」などに、シータ波が出てきます。
夜の遅い時間帯も、シータ波が非常に出やすいと言えます。「ひらめき」や「斬新な発想」などが得られやすいため、クリエイティブな作業に向いているでしょう。
午前中には「論理的作業」に重点をおき、午後からはアセチルコリンが活躍する「創造的作業」に重点をおいてみてください。
あなたも多くの本を読み、情報をインプットしてください。ときには人との会話や映画や小説など、違った方向からのインプットが、ひらめきの材料になります
エンドルフィン
エンドルフィンは、強力な鎮痛作用を持つ脳内物質です。
ケガや病気やランニング、その他のストレスによって引き起こされる「痛み」や「苦しさ」。それを「幸福」に転換し、ストレスから心と身体を守ってくれる物質がエンドルフィンです。エンドルフィンは、「究極のストレス解消物質」と言えるでしょう。
エンドルフィンは幸せ感を与えてくれます。脳を休め、注意・集中力、記憶力、創造性など、多くの脳機能を高めてくれます。
「癒しの時間」を持つことで、アルファ波が出やすくなり、さらにはエンドルフィンが分泌するわけです。
「次に何をやろう?」ということをいちいち考えずに、流れるように作業に没頭できるように、自分がすべき仕事を「ToDoリスト」として書き出しておく。
常に感謝を忘れない。失敗にも感謝する。そのくらいのポジティブ思考ができるようになれば、あなたも自然にエンドルフィンが分泌されるようになります。
本書から得た気づき
ドーパミン
人間がモチベーションを維持し、より高い自分へと成長・進化するために不可欠な脳内システムがドーパミン系が担う強化学習の仕組み。
ドーパミン分泌において、本書の上記の図が非常に分かりやすかった。
どんどん目標達成して成長していく人は、このようなドーパミンの分泌をうまく利用しているのだと思う。
まずは、短期間で実現可能な目標を立て、その実現をくり返すことで、大きな目標を達成することができる。さらに「目標達成→報酬ゲット」という仕組みを、ゲーム化することで、楽しく自己成長することができる。
ノルアドレナリン
主に脳と神経系を中心に活躍するのがノルアドレナリン。
ノルアドレナリンは、「闘う」にしても「逃げる」にしても、瞬発的な行動がとれるように、脳と身体を準備状態に持っていく役割をもっている。
ノルアドレナリンの効果を活用するなら、仕事や作業を漫然と取り組まないこと。期間や時間を限定するだけで、効率をアップさせることができる。
仕事も期限を決めずになんとなく取り組むとやはり生産性は落ちると感じている。しっかりと期限を決めて、やり切ることでノルアドレナリンの効果を得つつ、達成した時のドーパミンの効果も得ることができるのではないかと思う。
アドレナリン
脳以外の身体の各臓器、特に心臓や筋肉を中心に影響を及ぼすのがアドレナリン。
何かに興奮や緊張して心臓がドキドキする時などアドレナリンが分泌されており、脳も身体も最高のパフォーマンスを発揮できる状態である。
火事場の馬鹿力という言葉があるが、まさにアドレナリンが大量に分泌され、普段できないようなことができてしまう。
その一方、過剰に分泌されると、冷静さを失って暴走してしまい、わけがわからなくなってしまう。アドレナリンも「適度な分泌」が重要であって、「過剰な分泌」はむしろマイナスに働く。
セロトニン
セロトニンが活性化された状態では、心は落ち着き「平常心」となる。いわばセロトニンは癒しの物質。
セロトニンの幸福感は「安らぎ」や「くつろぎ」といった感情を基盤にした穏やかなもので、幸せを感じ、癒されるためには、セロトニンをしっかり活動させることが不可欠。
セロトニンの活性化には日光が大事。朝はやはり朝日で起きるのが一番よい。
朝日で目覚めて、目を開けたまま朝日を浴びることでセロトニンを活性化させ、気持ちよく目覚めることができる。
メラトニン
メラトニンが分泌されると眠気が生じる。よくプラネタリウムいくと眠くなるというが、暗く静かでリラックスできる場所であるプラネタリウムはまさにメラトニンが分泌されて眠くなっていると思う。
メラトニンは熟睡、疲労回復に必要不可欠な脳内物質。
入眠前はスマホやPCなどいじらず薄暗い部屋でリラックスし、日中は太陽を浴びてセロトニンを活性化させておくことが大事。
アセチルコリン
アセチルコリンは脳機能とひらめきに深く関わっている。
「やる気が出ないから、とりあえず始める」というのが、脳科学的には正しいモチベーションアップの方法で、アセチルコリンが分泌されどんどんやる気が出てくる。
アセチルコリンが活性化すると、シータ波がさらに増強する。
「新しい物に出会ったり、初めての場所に行ったとき」「興味を持ったものを調べたり、探索しているとき」「新しい刺激が多い環境で生活するとき」などに、シータ波が出てくる。
午前中には「論理的作業」に重点をおき、午後からはアセチルコリンが活躍する「創造的作業」に重点をおいてみる。
エンドルフィン
エンドルフィンは、強力な鎮痛作用を持つ脳内物質。
ケガや病気やランニングなどで引き起こされる「痛み」や「苦しさ」を「幸福」に転換し、ストレスから心と身体を守ってくれる。ランナーズハイという言葉があるが、まさにエンドルフィンが分泌され苦しさを幸福に転換している。
常に感謝を忘れない、失敗にも感謝する、そのくらいのポジティブ思考ができるようになれば、自然にエンドルフィンが分泌されるようになる。
実践ポイント
脳内物質の役割を理解した上で、普段の生活に取り入れる
本書を読み、脳内物質の効果や役割をザッとだが学ぶことができた。これらの脳内物質を踏まえ、日常生活に生かしていく。
具体的に
短期間で実現可能な目標を立て、そのサイクルを繰り返す(ドーパミン)
作業や仕事に期限を決める(ノルアドレナリン)
朝は必ずに日光(または光時計)で起床する(セロトニン)
入眠前はスマホやPCなどいじらず、間接照明で読書する(メラトニン)
感謝、ポジティブな思考を持つ(エンドルフィン)
コメント