教養として学んでおきたい仏教【島田 裕巳】 / レビュー・感想

 

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本の情報

  • 教養として学んでおきたい仏教
  • 島田 裕巳
  • 2019/4/24

 

概要

仏教について、その成り立ちや世界観などをわかりやすく解説した本書。インドから中国、そして日本と伝播していく中でどのように変容していったのか、浄土真宗、日蓮宗などの多くの宗派がどのようにして生まれたかなど、なんとなく気になっていたことについても丁寧に解説されている。

 

【引用】個人的に気になったポイント

定年後の人生をどのように送ればいいのだろうか。その先には、老いがあり、死がある。そうした状況にさしかかったとき、宗教というものが、それまでとは違ったものとして意識されるようになる。

 

仏教とは、発展を続けていく宗教なのである。その結果、多様な思想、哲学、あるいは修行の方法がそのなかに組み込まれていくこととなったのだ。

 

インドでは、輪廻はひどく苦しいこととして考えられている。

 

釈迦という人物が存在し、現在にまで伝えられているような生涯を歩んだというのは確かなことではなく、むしろ、釈迦は架空の人物であった可能性が高くなってくる。

 

空の教えは、私たちが見ていること、感じていることなどが、実は実体がないことを説いている。

 

インドでは、仏教を生んだ国であるにもかかわらず、次第に仏教は衰えていく。法顕や玄奘がインドを旅したときには、すでに衰退がはじまっていた。

 

日本には、仏教が伝来するまで、土着の宗教として神道があった。神道の場合には、仏教とは異なり、来世についてのとらえ方があまり発達していなかった。

 

神道には来世が存在しない。だからこそ、仏教が日本の社会に容易に浸透することができたのだ。もし神道でも明確に来世が説かれていたら、その点で仏教と衝突したはずだ。死後どこへ行くのかで対立が起こったことだろう。

 

仏教離れの傾向は、これからも続いていくことが予想されるし、時間が経てばより深刻なものになっていく可能性が高いのだ。

 

本書から得た気づき

日本に根付いた仏教

仏教はインド発祥だが、中国を経由したことで日本に伝わってきた仏教は大きく変わっていた事を学んだ。

元々、日本には神道が根付いており、仏教が伝わる事で神仏習合と日本独自の形で浸透していくことになった。神道は来世という概念が存在せず、仏教における来世の考え方がうまく日本になじんだ要因となっている。

また中国では絶えず仏教が発展を続け、より高度なものに変わっていく様を魅力的に感じ、当時の高官達が積極的に取り入れたことによる要因も大きくある。

他にも神道の自然信仰とインドの輪廻の考え方が根本的に異なっているなど日本に根付いた仏教は中国を経由したことがポイントになっている。

なお、仏教発祥の地のインドでは衰退し、ヒンドゥー教が主な宗教となっている。

 

実践ポイント

日本の宗教観を学ぶ

仏教を通して日本の歴史についていも学ぶことができた。日本の宗教観を学び、新たな視点で日本について理解を深めたい。

具体的に

仏教・神道についての本を読む

 

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