行動経済学入門【ハワード・S・ダンフォード】 / レビュー・感想

 

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本の情報

  • 図解de理解 行動経済学入門
  • ハワード・S・ダンフォード
  • 2020/11/20

 

概要

行動経済学について身近な例を用いてわかりやすく解説した入門書。行動経済学についてどんな用語や理論があるかをざっくり学ぶのにおすすめである。

 

【引用】個人的に気になったポイント

人間を合理的な存在として考えるのではなく、限定的に合理的な存在としてとらえ、人間が有するこの限定合理性を前提にして経済について考える動きが生まれてきました。これが行動経済学です。

 

ハロー効果とは、極めて限定的な情報から誤った判断をする傾向を指します。例えば高い学歴をもつ人や著名な会社に所属する人を、私たちは素晴らしい人物とか信頼できる人物と判断しがちです。これは学歴や社名という限定的な情報によるもので、ハロー効果の典型です。

 

私たちは何かを意思決定する場合、基準を決めて物事を判断します。上記の例だと通常価格が基準です。この基準をアンカーと呼びます。そしてアンカーに引っ張られて判断する現象をアンカリング効果と呼びます。

 

財の将来価値は現在の価値に換算して計算するのが合理的な考え方です。これを時間を割り引くと言い、その大きさを時間割引率と呼びます。そして時間割引率が高いまたは大きいということは、財の将来価値を大きく割り引くことです。つまり現在志向が強いということです。

 

私たちは近い将来の時間割引率を高く設定し、遠い将来の時間割引率を低く設定する傾向にあります。

 

サンクコストはお金ばかりではありません。時間もそうです。資格試験の合格を目指して長い時間勉強してきました。これに費やした時間は取り返しがつきません。これもサンクコストの一種です。

 

将来の判断をする場合、サンクコストを除外して考えることが重要です。過去に大量の資金を投資したから、多大な時間をかけたからと、実現不可能な計画を無理に進めるケースを見かけます。これは失敗に失敗を重ねているのにほかなりません。

 

本書から得た気づき

時間割引率

本書の例でもあったが、1年後にもらえる1万円を今現在もらえるならいくらで交換するという問いに対して8000円でもらうなど、将来の時間割引率を低く見積もりがち。

借金やリボ払いもそうだが、この手の法則を用いた商売は昔から儲かるのだろう。

 

サンクコスト

行動経済学の中でもサンクコストは特に実生活に影響を与えることが大きいと感じた。

実際、購入した本は読んでつまらないと思っても買ったら最後まで読まないとと思うし、人気のお店に行列待ちしていたら途中で抜けるのはもったいないと思うなど、日々サンクコストに縛られている事を実感する。

本書であったが、判断するときはサンクコストを除外して考える必要がある。このことは常に頭に入れておきたい。

 

実践ポイント

サンクコストに縛られすぎない

日々の生活でサンクコストに縛られすぎていると感じている。失敗に失敗を重ねないためにも、サンクコストを除外した意思決定をする。

具体的に

将来の判断をするときはサンクコストがある事を認識し、サンクコストを除外して意思決定する。

 

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