未来に先回りする思考法【佐藤 航陽】 / レビュー・感想

メタップス創業者で有名な佐藤航陽さんの著書。お金2.0で知った方でこちらも気になり手にとってみた。

 

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こんな人におすすめ

  • スティーブ・ジョブズのような未来を見据えて、世界に大きなインパクトを与えた人たちの思考法を知りたい
  • 事業を立ち上げたり、企業をしたいと考えてる

 

本の情報

  • 未来に先回りする思考法
  • 2015/8/27 発刊
  • 佐藤 航陽 (著)

 

概要

・0・1%の人は「世界が変化するパターン」を見抜いている

未来に先回りすることができる0・1%の人たちは、テクノロジーに理解が深く、経済、人の感情などの複数の要素を把握し、社会が変化するパターンを見抜くことに長けているという。

つまりパターン認識力を持っているということであり、本書ではテクノロジーを軸に

  1. テクノロジーの進化にはどんな「パターン」が隠されているか
  2. インターネットを中心とする新しいテクノロジーはこれから社会のシステムをどう塗り替えていくのか
  3. テクノロジーの進化は私たちにどんな問題をもたらすのか
  4. 未来を予測したうえで、個人はどう意思決定すべきなのか

の4つの項目について考察している。

2、3章では、GAFAなど世界的グローバル企業が未来を先回りする上での行動やパターンについて詳しく解説されている。それらの事例が4章の我々個人がどのように意思決定していくかの考察に帰結する構成になっている。

2、3章が大部分を占めているため長く感じてまうが、最終章の納得感と理解度を深めるためにも妥当かと思った。

 

【引用】個人的に気になったポイント

本当に大きな成果を上げたいのであれば、真っ先に考えなければいけないのは今の自分が進んでいる道は「そもそも本当に進むべき道なのかどうか」です。

 

「どうすれば現状のやり方を効率化できるか」と考える前に、「今も本当にそれをやる価値があるのか」を優先して考える癖をつけることをお勧めします。

 

大きなリターンを出すためには、適切な時に適切な場所にいることが重要です。

 

未来が読める「だけ」では価値はないのです。その恩恵にあずかるためには、未来に向かう電車が来るタイミングで、必要なリソースを揃えて、駅のホームで待っていなければなりません。そのためには、まず自分が持っている手持ちのカードをきちんと把握し、電車が来るまでの残り時間の中で、足りない条件を揃える必要があります。

 

物事がうまくいかない場合、パターンを認識するために必要な試行回数が足りていない場合がほとんどです。サンプルが必要だと頭ではわかりながらも、感情的な理由から十分な数が集まる前にあきらめてしまう。(中略)それでも、一回一回の成否に一喜一憂せずに、パターンと確率が認識できるまで「実験」だと割りきって量をこなすことが重要です。

 

山田進太郎さんに、なぜIT業界に入ったのかを聞いたことがあります。彼の答えは「当時は、他の業界よりも優秀な人が少なかったから」というものでした。

 

納得感よりパターンを信じる

 

自分も他人もうまくいくと考えていた事業は失敗し、自分も含め全員が半信半疑である事業は成功したのです。他社で巨大なサービスを作ったプロデューサーや経営者に立ち上げ当時の話を聞いてまわったところ、驚くことにみな口々に同じことを語りました。どのサービスも立ち上げ当初は誰も注目していなく、社内も社外もうまくいくと思っている人間はいなかったのだと。

 

ビジネスは全体の1%しかうまくいきません。必然的に、成功する事業というのは世の中の少数派から生まれなければならないはずです。多数派が考えるアイデアで勝利を収めるのは、簡単ではありません。 大企業には頭の良い人が何万人もいますから、彼らが考えついて実行するようなアイデアには、チャンスの隙間はないといえるでしょう。逆に自分すら半信半疑なアイデアは他人にとってはまったく理解不能ですから、他人との競争に巻き込まれずにマイペースに進めることができます。

 

周囲の人にもチャンスとわかるようなタイミングでは遅いのです。自分でも成功確率が五分五分というタイミングが、本当の意味でのチャンスです。
周りの人たちが一度話しただけで理解できるようだったら、考え直してください。逆に、首をかしげられたり、うまくいかなさそうだと否定的なリアクションをしてきたようなら、そこにこそチャンスはあります。

 

Google、Amazon、Facebookなどの巨大IT企業の創業者たちが考える未来像は驚くほど酷似していま す。彼らは「いつ」それに取りかかるのかのタイミングの読み合いをしているだけです。社会・経済・技 術・強み・資金などを総合的に考え、適切なタイミングで適切なアクションを起こしています。 「その意味では、イノベーターとは、まったくゼロから新しいものを創造する人たちではなく、少し先の 未来を見通して先回りができる人たちなのだといえるのかもしれません。

 

誰がいつ実現するかは最後までわかりません。しかし、何が起きるかについては、おおよその流れはすでに決まっています。人が未来をつくるのではなく、未来のほうが誰かに変えられるのを待っているのです。適切なタイミングでリソースを揃えた人間が、その成果を手にします。 国や時代も超えて共通する進化の原理には、個人が好きに変えられるほどの自由度はありません。そして、社会で生きる限り、その法則性から誰も逃れることはできません。魚は川の流れに逆らって泳ぐこと はできますが、川の流れそのものを逆流させることはできないのと同じことです。

 

本書から得た気づき

パターン認識するまでの試行錯誤が足りてない

本書では、物事がうまくいかない場合、パターンを認識するために必要な試行回数が足りていない場合がほとんどと言っている。やはり何かに挑戦したり、行動に移す際は圧倒的な量が必要だと気づいた。

何事もやっていくうちに感覚的に理解することがあるが、ビジネスも同様で感覚的に理解できるまでは実験として割り切る必要があり、これがパターン認識の向上につながると考える。

 

未来のことは誰もわからないことを理解する

前提としてどんな天才だろうと未来のことは誰もわからないことを再認識した。

ただおおよその流れはある程度把握することは可能で、それは冒頭の概要でも言っていた「テクノロジーに理解が深く、経済、人の感情などの複数の要素を把握し、社会が変化するパターンを見抜くことに長けている」こと(パターン認識)が求められる。

 

適切な時に適切な場所にいる

本書では電車の例えをしていたが、適切な時に適切な場所にいることの重要性を感じた。インターネット黎明期のホリエモンや藤田社長のように適切な時に適切な場所にいることによる人生への影響は大きい。

引用にあるメルカリ山田会長の「当時は、他の業界よりも優秀な人が少なかったから」の言葉にもあるが、やはり彼らも本書でいうパターン認識力を持っていたのだろう。

 

実践ポイント

実験と割り切って行動量を増やす

本書であった「物事がうまくいかない場合、パターンを認識するために必要な試行回数が足りていない場合がほとんどです。」が響いた。やはり圧倒的に行動力が足りていないと自覚した。

具体的に

パターンと確率が認識できるようになるまで、浮かんだアイデアをとりあえずアウトプットする。

 

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