あなたの人生が変わる対話術【泉谷 閑示】 / レビュー・感想

 

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本の情報

  • あなたの人生が変わる対話術
  • 泉谷閑示
  • 2017/2/20

 

概要

背景、考え方、立場が違う他者とどうやってコミュニケーションをとるか、そのた対話術について紹介した本書。本書では30のヒントを通じて、対話を学ぶことができる。

 

【引用】個人的に気になったポイント

「他者」を知ろうとすることは、自分とは異質な感覚や感性に触れ、異なる価値観や考え方を理解しようとすることです。そして、その異質なものとの遭遇によって、自分が変化することを歓迎することでもあります。

 

「対話」は相手を上下関係でなく、「未知の存在」と捉える視点を前提にして行われるものです。

 

よく、「うん、わかる、わかる」という反応を連発しながら、相手の話を聴いている人があります。これは一見、共感的に聴いているふうに見えるかもしれませんが、このような聴き手は、「わかる」ということに対してあまりにきめが粗く、慎重さに欠けていると言わざるをえません。

 

「理解する」と「同意する」を切り離すためには、やはり先ほど述べた「分身の術」が不可欠です。つまり、「理解する」作業はもっぱら「分身」が行って、「同意する」かどうかは、それとは独立して「本体の自分」が判断すれば良いのです。

 

心を閉ざした状態の人との「対話」においては、性急に心を開いてもらおうとすると、北風と同じ失敗を招いてしまいます。

 

対象をコントロールしないということが、「待つ」ことの本質です。「待つ」とは、対象が主体的に在ることを尊重し、こちらが決してそれを操作しようとしないことです。ですから、話し手が何をいつ語るのかということについて、聴き手が選択したり意図的な方向づけを行ったりせずに、ひたすらに受け取ることが「待つ」聴き方です。

 

つまり、自分自身の中に「他者」を見ることができなければ、自分自身との「対話」はできないということです。

 

「世間」という「ムラ的共同体」の中で、お互いを「同じ」と捉える「二人称関係」の「仲良しごっこ」を演じることに疑問を感じ、その浅薄さにうんざりするところから「対話する生き方」は始まります。そしてそれは、自分以外の人間を「他者」と見ることの始まりであり、「他者」と自分が決して一体化したり重なり合ったりできないことに気づき、それに深く絶望することでもあります。

 

愛と欲望の大きな違いは、「他者」も自分と同じように「孤独」を生きていることに気がつけるか否か、というところにあります。愛は、「孤独」な者と「孤独」な者の間に発生する、万有引力のようなものだと考えられます。「孤独」がなければ愛もないという意味で、両者には切っても切れない密接な関係があるのです。

 

「対話」とは、「孤独」を生きる「他者」と「他者」との間で交わされるロゴスのやり取りであり、また貴重な「経験」の場です。そして「対話」をするという精神とは、「他者」の独立性を尊重しつつ「他者」に関心を向け、「他者」の語りを「聴き」、「他者」と遭遇する「経験」に身を開くような精神のことです。

 

「対話」する生き方とは、すなわち、「他者」との真の「経験」を求めて、愛に生きることを選ぶ生き方にほかならないのです。

 

本書から得た気づき

「理解する」と「同意する」を切り離す

本書の「理解する作業はもっぱら分身が行って、同意するかどうかは、それとは独立して本体の自分が判断する」という考え方はとてもためになった。

どうしても相手の話に同意できないと話を受け付けない気持ちになってしまうが、「理解する」と「同意する」を切り離すことで、同意はできないけど理解はできるという新しいアプローチをとることができる。

まずはしっかり相手の話を聞き、自分は同意できなくても何を伝えたいのかどう考えているのかを理解することは、他者の独立性を尊重し、未知なる経験を得る対話となるのだろう。

 

「待つ」聴き方

他者の存在を理解し尊重するということは、他者をコントロールしないということである。そのため、相手が何をいつ語るのかを聴き手が選択したり意図的な方向づけを行ったりせずに、ひたすらに受け取ること「待つ」聴き方が大切になる。

どうしても口を挟みたくなるような時でも、他者が自分とは違う存在でありそこに優劣はないことを理解することで、相手が何を伝えたいのかをしっかり聴くことができる。

この「待つ」聴き方とは、自分とは違う他者の存在を理解することで必然的に生まれる聴き方になるのであろう。

そして他者を知ろうとすることは、自分とは異質な感覚や感性に触れ、異なる価値観や考え方を理解し、その異質なものとの遭遇によって、自分が変化することを歓迎することにつながる。

 

実践ポイント

理解と同意の切り離し

この理解と同意の切り離しができていなかったため、早速実践する。自分がどう思うかなどは一旦置いておき、相手が話すことの理解に努める。

具体的に

自分の感情や価値観フィルターをかけずに、相手が何を伝えたいのかを理解することに努める

 

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