教養として学んでおきたい哲学【岡本 裕一朗】 / レビュー・感想

 

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本の情報

  • 教養として学んでおきたい哲学
  • 岡本裕一朗
  • 2019/6/25

 

概要

哲学の入門書として、哲学の概念、歴史、代表的な哲学者たちをわかりやすく解説した本書。哲学を学ぶ上で抑えておくべきポイントがまとめられており、哲学についてより深く学ぶきっかけを本書が与えてくれている。

 

【引用】個人的に気になったポイント

古代ギリシャの時代には、あらゆる事柄を修めるのが哲学だったのに、歴史が進んでいくと、哲学の中身がどんどん自立化していってしまい、最終的には残りカスどころか、何も残っていないという状況になってしまったのです。

 

改めて〝哲学〟とは一体何をする学問なのかを考えた場合、もちろん様々な考え方はありますが、私個人としては、様々な学問の連関、コミュニケーションを図る学問ではないかと考えています。それぞれの学問がどのように繋がっているのか、その繋がりを理解するのが〝哲学〟なのです。

 

哲学においては、〝問い〟を出すことのほうが重要なのです。自分自身が今まで正しいと思っていたことが、はたして本当に正しいのかどうかを疑う。それがあって、初めて〝問い〟を出すことができます。

 

ラトンを抜きにして、哲学を理解することは不可能であり、もし言及していなかったとしても、それはおそらく知らないだけであり、細かく見ていけば、この議論は、ここでプラトンがやっている……といったことに必ず繋がるといっても過言ではないのです。

 

知識というものは教えられなくてもすでに持っていること、しかし、生まれてくるときにすべてを忘却してしまっていること、すなわち知識とは学ぶものではなく、すべて思い出すものであることが説明されています。

 

結局のところ、プラトンが言うように、最初から私たちがイデアを持っているということに対する批判であり、アリストテレスの場合は、形を作る本質的なものとしての形相(エイドス)と質料(ヒュレー)があり、質料を形相が規定することで個々のものが成立するとしており、少なくとも、個々のモノとは別のどこかにイデアが存在するといった考え方は否定しています。

 

資本主義は、マルクス以来、終わる終わると言われ続けているのですが、本当に終わるのかと言えば、なかなか終わりそうにありません。さらに問題なのは、もし本当に終わるとして、その後はどうなるのかという青写真が誰も描けていないことです。

 

本書から得た気づき

資本主義と哲学について

最近SDGsなどサステイナブルな社会に向けて全世界が動き出しているおり、改めて資本主義社会の是非について問われているように感じている。

マルクスは社会主義を訴え、実際にロシアや中国などが社会主義的な国をつくったがあまりうまくいかなかったこともあり、やはり資本主義がbestではないがbetterという感じになっているように思うが、地球資源や環境のことを考えると将来的には新しい社会のあり方が求められている。

また資本主義が人間にとって幸福かというとそうでもなく、過度な格差社会と競争社会を生み出し、精神的な病気にかかる人も増えている。

我々が生きていく社会や環境について知ることは、幸福や生きる意味など哲学的な思想に帰着し、それは全てのことに言えるのかもしれない。哲学を学ぶということはそういうことなのだろう。

 

実践ポイント

引き続き哲学人関連する本を読む

本書を通じて現代までの哲学の成り立ちや哲学が求められてきた経緯、哲学が現在置かれている状況などについて学ぶことができた。

著者が本書で述べている通り、哲学を学ぶきっかけとしての入門書であるため、さらに哲学について学ぶため哲学の本を読み進めていく。

具体的に

哲学者達が書いた本を読む

 

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