つながる脳科学 「心のしくみ」に迫る脳研究の最前線 / 理化学研究所 脳科学総合研究センターの詳細はこちら【Amazon】
本の情報
- つながる脳科学 「心のしくみ」に迫る脳研究の最前線
- 理化学研究所 脳科学総合研究センター
- 2016/11/16
概要
9つの最新研究から、心を生み出す脳に迫った本書。グリア細胞とニューロン、進化と可塑性、場所細胞と空間記憶、情動と消去学習など、頭の中のさまざまなつながりを解き明かす。
【引用】個人的に気になったポイント
先ほどの方法でうつに誘導し、このテストでも、うつ状態、だと確認できたマウスの海馬に光を当てて、海馬にあるデートの状況記憶を思い出させることで、それにつながっている扁桃体に保存されているデートのポジティブな感情記憶を思い出させると、どうなると思いますか?なんと治ってしまうのです。治るというのは、少し語弊がありますが、少なくとも、テストではうつと診断されなくなります。ところが、海馬に照射した光を消すと、またうつに戻ります。このマウスの反応は、光のオン/オフでコントロールできます。つまり、マウスのうつ状態は、随意に非うつ状態へと切り替えられるのです。
神経系は、環境変化に応答するために進化してきました。もともとは、感覚のような入力から行動のような出力の間にある情報処理が徐々に発展してきて、知的な機能が加わったと考えられています。その知的機能を可能にしているのもニューロンです。人間の場合は1000億に近いニューロンがあり、前述したように、それぞれのニューロンに数万のシナプス結合があります。したがって、脳全体のシナプス数は、まさに天文学的な数になります。
本書から得た気づき
うつ状態と非うつ状態は切り替えられる
ポジティブな記憶を思い出させることで一時的にうつ状態から脱却できるというの驚いた。ただうつ状態の人はなかなかポジティブな思い出を思い出すことは難しいとのことである。
今回のマウスの実験では光のオンオフでコントロールしたが、もし人間でも同じようにできるのだとしたらと思うとそれはそれで不思議な気持ちになる。
なぜなら外的要因によってポジティブな思い出を呼び起こすことは、まるで夢の世界に依存することになりかねないと思うからだ。その光を浴び続けることで過去のポジティブな体験を死ぬまで繰り返すのではと考えてしまう。
実践ポイント
脳の不思議
脳の解明が進めば進むほど人間とは何か、生とは何かを考えてしまう。見えている世界、記憶、感情などまるで全て脳に支配され、自分が自分でないような気持ちになる。
脳が脳について知るとは変なことだが、これからも脳について学んでいきたい。
具体的に
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