「ゼロリスク社会」の罠【佐藤 健太郎】 / レビュー・感想

 

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本の情報

  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~
  • 佐藤 健太郎
  • 2012/9/20

 

概要

この時代を乗り切ってゆくために必要なリスクを見極める技術について紹介した本書。現代の我々を襲うリスクに対してイメージや先入観に惑わされない向き合い方を提示している。

 

【引用】個人的に気になったポイント

低リスク状態は、営々たる努力の上に初めて成り立つものです。ある意味で我々の行動のほとんどは、生活上のリスク削減のために起こされるという言い方もできるかもしれません。

 

生は「どのリスクを取ってどの利益を得るか」という選択の連続だともいえます。

 

リスクがどうやってもゼロにできないなら、何らかの形で付き合っていくよりありません。要は、あるものによって引き起こされるリスクと、それによってもたらされるベネフィット(利益)を計量し、後者が上回るときにこれを採用するということになります。

 

ご存知の通り、市販されている多くの医薬は、毎日二度三度と飲まなければなりません。体内残留時間を少しでも長くするよう、様々な工夫を凝らした医薬ですら数時間で排泄されてしまうからこそ、こうして何度も服用する必要が出てくるのです。

 

現在、寿命を延ばすことができると科学的に証明された方法が一つだけあります。それは、摂取カロリーを通常の7割程度に減らす――「腹七分目」に食べることだそうです。酵母のような微生物から、サルなどの高等生物に至るまで、この方法によって生存期間が延長することが様々な実験で確かめられています。

 

2007年、アメリカで行なわれた「水がぶ飲みコンテスト」で、7・8リットルの水を飲んだ28歳の女性が「水中毒」で亡くなるという事故が起こっています。このような次第で、まったく危険がない物質というものはこの世に存在しません。

 

正しく安心するためには、「何となく気持ち悪いから排除する」ではなく、きちんとリスクを知ることが不可欠です。

 

「ない」ということの証明はできない――。これは、発がん性や食物の安全にとどまらず、自然科学全体にかかわる大問題です。

 

トランス脂肪酸を指して「自然界には存在しない〝狂った油〟である」などという記述がかなりの数見られます。しかし実際には、自然界にも少なからぬ量のトランス脂肪酸が存在しています。たとえば、牛や羊など反芻動物の脂には、5%程度のトランス脂肪酸が含まれます。

 

目先のリスクに惑わされてゼロリスクの幻を追うのではなく、ある程度のリスクを受け入れること。本能的判断も重要ではあるけれど、リスクを定量的に捉えて広い視野で判断してゆくことも同じように重要

 

本書から得た気づき

リスクを正しく理解する

本書を通して我々はいかにリスクに対して曖昧な判断をしているのかを理解できた。それはある意味人間の本能上仕方のないことであり、到底存在し得ないゼロリスクを追い求めてしまうが故である。

そもそもリスクが全くない、リスクがないことを証明することなどできないわけで我々はリスクに対してどの程度許容できるかを自分で調べ判断することである。

本書でもあったが「あるものによって引き起こされるリスクと、それによってもたらされるベネフィットを計量し、後者が上回るときにこれを採用する」ことを判断する必要がある。

そのためには物事に対して正しく知ることであり、自分の頭で考えることが大切である。今まで何となく習慣的にしていた行動や食べていたものなどに対して、どんな結果をもたらすのかどんな意味があるのかなど改めて問い直す必要がある。

 

科学的に証明された寿命を伸ばす方法

摂取カロリーを通常の7割程度に減らすこと、つまり腹七分目で食べ終えることが科学的に証明された寿命を延ばすことができると方法だそう。

たしかにどの本でも食べ過ぎは良くないと書かれており、それらは科学的に証明されていることである。改めてこの食べ過ぎないことに注意していきたい。

 

実践ポイント

食べ過ぎない

食品添加物や化学物質など、摂取したら体に悪いなど短絡的に語られがちだが、その影響はあるにせよ神経質になるほどのリスクはなさそうであり、そもそも全て排除することは不可能である。

それならまずは科学的に証明された食べ過ぎ防止を最優先に行い、食品添加物等は無理のない範囲で減らしていく方が良いと思う。

具体的に

腹七分目で食べ終える

 

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