仏教と脳科学: うつ病治療・セロトニンから呼吸法・坐禅、瞑想・解脱まで / アルボムッレ・スマナサーラ/有田秀穂の詳細はこちら【Amazon】
本の情報
- 仏教と脳科学: うつ病治療・セロトニンから呼吸法・坐禅、瞑想・解脱まで
- アルボムッレ・スマナサーラ (著), 有田秀穂 (著)
- 2015/2/8
概要
スリランカ・テーラワーダ仏教長老と脳科学の医師が、お互いの専門における仏教と脳科学の知見から人間理解における共通点・相違点を詳らかにし、対話によって現代のおける問題点に対する対策を科学的・仏教的なアプローチで提示した本書。
仏教と脳科学の知見が交差する共通点は興味深く、まだまだわからないことが多い脳・精神の世界に引き込まれる。
【引用】個人的に気になったポイント
腹筋を意識して、呼吸法の呼吸をし続けるだけで、α波がどんどん増えてきます。つまり、大脳の働きが変わっていくのです。
言葉による影響を、一切はずしてしまうのです。人が何かを話そうとするときは、言葉を引き起こす衝動がありますから、そのもととなるものを見るのです。
涙を流すのはリセットなのです。一度ごちゃごちゃになった状態をゼロにして、まっさらにして、もう一度、一からやり直すのです。その準備の状況を整えてくれるのが、涙という機能なのです。
音楽を聞いた状態で、ほかのことは考えずに、ただ歩くと、セロトニン神経の活性化になって、うつに効くのです。
人間も動物と同じですから、ある一定のなわばり(行動範囲)が必要です。そのなわばりが、あまりにも狭すぎるのです。
人のために一生懸命やっていると、お金ではないところで満たされ、おそらく永続的に満足感が得られると思うのです。そこに、少しずつでも気がつかないといけません。
ゲームは、やってもいいと思います。ただ、考えてほしいのは、「ゲームは何のためにやるのか」ということです。ゲームを始めたら、途中でいったんやめて、「これは何のためにやっているのか」を、よく考えてみてください。
まず、おもしろく生きてみてほしいのです。自分の人生を、新しいアイディアやインスピレーションにあふれるように工夫するべきです。勉強であっても、仕事であっても、さまざまなひらめきが生まれる状態にしておくのです。
何か仕事をやるからには、なんとしてでもそれは役に立つようにしなくてはいけないのです。自分がやっていることは有意義であると、自分の脳にインプットしなくてはいけないのです。
普段は、ずっとセロトニンが働いていますから、普通は多くの情報が捨てられています。ところが、うつの人やキレる人など、その働きが弱い人がいますよね。その人たちは、情報を消す能力が低いのです。ですから、気にしなくていいような情報が、いつまでも残ってしまうのです。受け流してもいいような情報が、いつまでも頭から消えないのです。
本書から得た気づき
行動範囲の話
現代の日本での生活の行動範囲は狭く、頭に必要な刺激がなくなっているという話は興味深かった。特に都会での子供は外は危ないと教えられ、部屋に篭ることが多い。スリランカでは子供は朝外に出かけてから夕方帰ってくるまでどこに行ったかわからない。
体を存分に動かすことができ、脳にも刺激があるためストレスもほとんどない。たまにキャンプや海で思いっきり遊ぶと開放感に満ち溢れてスッキリする感覚があるが、そのような生活が本来人間にとって正常なのだろう。
現代の日本のように行動範囲が狭まれ、部屋に篭ることが多くなるとセロトニン神経が弱まり、うつ病などの精神疾患になりやすくなる。瞑想はセロトニンを増やす効果があるとされており、精神が安定する言われる所以はこういう脳科学の知見からも明らかになっていくのだろう。
心の三原色
医師の方は脳科学を研究していることだけあり、セロトニンやドーパミンなど脳内物質が心身に及ぼす影響や効果から、仏教の瞑想や考え方を考察しており興味深かった。
色の三原色ならぬ心の三原色をドーパミン(赤)、ノルアドレナリン(青)、セロトニン(緑)で考察し、それぞれの心が交わることで様々な感情を生み出しているという。
仏教の貪瞋痴との考え方との共通点や相違点にについても意見が交わされ興味深かった。
実践ポイント
セロトニン
セロトニンが心身に与える影響について理解を深めることができた。セロトニンは毎日リセットされるため、セロトニンを生成することを毎日意識的に習慣化する必要がある。まずは毎朝セロトニンを活性化させること意識し行動する。
具体的に
セロトニンの活性化を意識し、毎朝起きたら外に出る
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