ネットビジネス進化論【尾原 和啓】 / レビュー・感想

ビジネス界では有名な尾原さんの新刊が出たということで、気になって手に取ってみた。

 

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こんな人におすすめ

  • ネットビジネスの最新動向について知りたい
  • ネットビジネスを立ち上げて成功させたい

 

本の情報

  • ネットビジネス進化論: 何が「成功」をもたらすのか
  • 2020/6/27 発売
  • 尾原 和啓 (著)

 

概要

リクルートや楽天、Googleなど数々の有名企業で激変するネット界に関わってきた尾原さんが、インターネット登場から四半世紀にわたるネットビジネスの進化の要点を整理している本書。Amazon、YouTube、ビットコインなど、有名企業やサービスの分析を通して、勝者に通底する原理や儲けのしくみを以下の系統樹にまとめて解説している。

  1. 権力:つながりの場所を押さえる
  2. コマース:物や予約をつなげる
  3. コンテンツ:情報をつなげる
  4. コミュニケーション:人をつなげる
  5. 有限資産をつなげる
  6. BtoB:仕事をつなげる
  7. これからネットビジネスを始める人へ

とにかく現在のネットビジネスについて国内外問わず調べ尽くされていた。ここまで網羅的に詳しく解説されているのは他にないと思うほどであった。

ネットビジネスに興味のある方はこちらの本書を読んで大方の概要を知り、本書で出てきたもっと知りたいトピックについては個々人で調べ、深く掘り下げるのが良いと思った。ネットビジネスに携わる方には読んで損しない良書である。

 

【引用】個人的に気になったポイント

長く生き残れば、それだけ世の中の人たちをハッピーにすることができます。逆に、世の中の人たちをハッピーにできないビジネスは、生き残ることができません。

 

大量の情報があふれるインターネットであっても、純粋想起さえとれれば、一気に市場を占有することができる。これが「勝者総取り(ウィナー・テイクス・オール)」と呼ばれる現象です

 

かつては「儲けがすべて」で生き馬の目を抜く競争社会だった中国ですが、いまは他人を出し抜くのではなく、積極的に他人を助ける、利他的な行動をする人が増えています。そうしたほうが、自分の価値を高めるという認識が広がったからです。信用スコアによって、世の中の価値観まで変わったわけです。

 

では、どうすればCGMは盛り上がるのでしょうか。一つは、ウィキペディアでも出てきた「ペイフォワード精神」をうまく取り込むことです。コンテンツのつくり手、書き手が喜んで「次の人のために」「読んでくれる人のために」「見てくれる人のために」才能を発揮したくなるような環境づくりが大切です。

 

勉強でも仕事でも、時間を忘れるほど没頭できれば、アウトプットの質も量も向上します。ゲームの要素を取り入れたそうした取り組みを「ゲーミフィケーション」と呼んでいます。

 

もともと余った時間を切り売りすることで始まったシェアリングエコノミーは、やりたいことが別にある人にとっても、最適な働き方を提供してくれるのです。

 

一つは、ビジネスで成功するには「タイミング」が重要だということです。もう一つは、ネットビジネスは「この先どこに向かうのか」ということです。

 

「アイデア」「チーム」「ビジネスモデル」「資金調達」「タイミング」という5つの要因のうち、何が成功と失敗を分けたのか。200社以上のケースから分析したアイデアラボCEOのビル・グロスさんは、42%は「タイミング」で決まると語っています。

 

タイミングを見極めるときに忘れてはいけないことは、ビジネスはC(消費者)から始まって、B(企業)に移っていくということです。

 

ネットビジネスを考えるときも、「いまの自分」を肯定し、「なりたい自分」になれるサービスをつくると思えば、いろいろなアイデアが出てくるはずです。

 

いまや、ネットビジネスは毎日食べる食事のようなものです。食事は、どんな栄養素・カロリーでできているかという原理・原則を知れば、健康に生きられるようになります。

 

 

本書から得た気づき

目から鱗のネットビジネス最前線

本書では最新のネットビジネスの動向について語られているのだが、特に中国のネットビジネス最前線に驚かされた。

信用スコアによる敷金免除やオンライン上で健康相談から診察予約、服薬までワンストップで行うサービスなど、日本ではまだ想像できない滑らかで便利な生活になっている事を知った。その一方で常に監視されているディストピア感もあり、民主主義国家ではかなり抵抗されそうな気もする。

いずれにせよやはりネットは激変の業界であり、今後も加速度的に進化していくであろう。

 

テクノロジーやアプリケーションにおけるハイプ・サイクル

出典:ハイプ・サイクル Gartner

本書でハイプ・サイクルの「黎明期」、「幻滅期」、「啓蒙活動期」、「生産性の安定期」とテクノロジーやアプリケーションにおける動きの話があった。シェアリングエコノミーやVR、仮想通貨などこの動きに当てはまめて考えると面白い。

続々と出てくるテクノロジーの波の中で、大きな流れとして捉えることが重要である。点で見るのではなく線として捉える。

 

実践ポイント

新たなネットビジネスの模索

世界中でテクノロジーを使ったネットビジネスが続々と登場していることを学んだ。自分なりに気になるトピックの市場動向を調べた上で、新たなネットビジネスの可能性を模索したい。

具体的に

気になるネットビジネスの市場動向から、新たなビジネスチャンスを模索し事業案としてまとめる

 

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