教養として学んでおきたい5大宗教【中村 圭志】 / レビュー・感想

 

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本の情報

  • 教養として学んでおきたい5大宗教
  • 中村圭志
  • 2020/2/26

 

概要

世界中の主な大宗教として、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教の5つを取り上げわかりやすく解説している本書。宗教の成り立ちや概念、慣習などを学ぶことができる。

 

【引用】個人的に気になったポイント

寛容だが不平等を是認する多神教と、平等を目指すが不寛容な一神教──それぞれに美点と欠点があるわけです。

 

ユダヤ教

熱心なユダヤ教徒は今日でも安息日──ユダヤ暦では土曜日に当たる──を遵守します。この日は祈りの日であり、絶対に労働しません。

 

ユダヤ人は唯一神を奉じます。その性格は、〝民を奴隷状態から解放した神である。〟〝民に律法を与えた神である。〟〝その正体は、天地を創造した唯一絶対神である。〟

 

キリスト教

ユダヤ教は「律法」の宗教、キリスト教は「信仰」の宗教ということになります。ユダヤ教………律法の宗教(戒律を守ることが重要)キリスト教……信仰の宗教(キリストの神秘を信じることが重要)

 

東方正教会は古代からの儀礼を重んじ、思想的には概ね保守的。カトリック教会は中央集権的で、概して保守的ですが、今日でははるかにリベラルになっています。プロテスタント諸教会は、教団による違いが大きく、超保守もあれば超リベラルもあります。

 

イスラム教

六信

神…唯一神(アッラー)

天使…複数いる霊的存在

使徒…ムハンマドの他にモーセやイエスなども

啓典…コーランの他にユダヤ教の律法やキリスト教の福音書なども

来世…終末の審判ののちの楽園(天国)と火獄(地獄)

定命…人間の運命を神が定めていること

 

五行

信仰告白…アッラーとムハンマドへの信仰を告白する

礼拝…日に五回(未明、昼、日没前、日没後、夜)

喜捨…定額を納めるもので、貧者などに分け与えられる

食…ラマダーン月の昼間に行なう断食および性的禁欲

巡礼…巡礼月のメッカへの作法通りの巡礼

 

ヒンドゥー教

インド半島の各地で伝統的に奉じられてきた宗教や宗教的習慣をひとまとめに「ヒンドゥー教」と呼びます。

 

ヒンドゥー教の世界観の基本にあるのは輪廻です。

 

仏教

仏教の世界観では、インドの神々よりブッダである人間・釈迦のほうが格がはるかに上です。

 

その他

宗教について受動的に学ぶだけでは駄目で、積極的に「自分としては宗教をどう考えるか」判断していかなければならない時代が来ていると言えそうです。

 

宗教は複合的な現象だ

 

本書から得た気づき

宗教を学ぶことで世界の解像度が上がる

宗教は人類の歴史や文化、生活と紐づいており、宗教を学ぶことで見ている世界の解像度が上がっていくことを実感する。

なぜキリスト教が世界中に広がったのか、なぜ自爆テロが起きるのか、政治や国際情勢など宗教を取り入れた視点から見ることで大きく見方が変わってくる。

日本では無宗教と自覚する人が多いが、仏壇でお参りしたり初詣にいったりと無意識のうちに宗教と触れており、それほど生活と密接に根付いていることでもある。

改めて人間と宗教の関わりを学び、自分がどう宗教と向き合うかを考える必要がある。

 

宗教は救いとなる

なぜ人間は生まれたのか、死んだらどうなるのかなど哲学的な問いが宗教として昇華したという考察は納得できる。現在でも自然災害や病などの絶望的な状況や窮地に陥った時に、人間は無力であることを悟と共に神に祈ることがある。

いくら科学的に発達しても、哲学的な問いが存在する限りは信仰することや神を崇めることは救いとなり続けるのであろう。最高の体調という本でも畏敬の念を抱くことは体内の炎症レベルを下げるとあった。

人間は本能的に己の無力さと神や宇宙の偉大さを認識しているのだろうか。

 

実践ポイント

哲学と宗教

昔から人間誰しも向き合うことになる哲学的な問いが宗教を通して個人的な答えを導き出してきたのだろう。もっと宗教について学び、さらに世界の解像度を上げたい。

具体的に

宗教に関する本を読む

 

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