すごい宇宙講義【多田 将】 / レビュー・感想

 

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本の情報

  • すごい宇宙講義
  • 多田 将 (著)
  • 2013/6/29

 

概要

ブラックホール、暗黒物質、宇宙の誕生など興味深い宇宙に関するテーマをまとめた本書。実際の公開講座を本としてまとめており、挿絵などを交えてわかりやすく解説されている。

 

【引用】個人的に気になったポイント

この消しゴムだって、みっちり詰まっているように一見思えるんですが、原子で出来ていますので実は中身はスカスカです。つぶれ代は、めちゃくちゃあるんです。10万分の1にまで縮まるスペースが実はある。ではなぜ握りつぶすことができないかというと、僕の力が弱いからです。でも恒星ほどの重力なら力は大きいですから、つぶすことも可能なんですね

 

ちなみに、なんで「死ぬ」のに「新星」なのかと言えば、昔はそれが星の死だとわからなかったからなんですね。それまで恒星として光っていたんですが遠すぎて見えなかった星が、死ぬ瞬間は、この爆発でめちゃくちゃ明るくなるので、昔の人は、「あそこに新しく星が出来た!新星だ!」と名付けたんですね。実は生まれたんじゃなく死んだんですが、昔はわからなかったんです。そういう歴史的な理由からです。

 

光の速度の99.9999%とか――で粒子を加速できます。すると、本当に重くなっているんですよ。そこからどれだけエネルギーを追加しても、光の速度を超えられない。質量のあるものを光速にするには無限のエネルギーが必要になる、ということが実験によってはっきりと証明されてしまった。

 

つまり、未来行きのタイムマシンは作れるんですよ。皆さんが飛行機に乗ったら、ちょっとずつ寿命が延びているはずです。ほとんど無視できるぐらいの時間なんですが、原理的には光速に近づけていけば、はっきりと未来に行くことができる。ただし速度にマイナスはありませんので、タイムマシンは未来行きだけです。

 

重力を使ったやり方でも未来に行けるんですよ。つまり、重力のすごく強いところに行ってしばらくそこで留まっておいて、それから戻ってくれば、その人の時間が遅れているわけだから、未来に行ったのと同じことになるんです。

 

「137億年前の宇宙の光が見られました」って、ふつうに考えると、「なんでそんな大昔のものが、今見られるの?」って思うでしょう?光は障害物がなければ永遠に進むんです。そして、宇宙は膨張しています。光が進む空間そのものが伸びていっているわけですから、それにつれて、光はまるでバネが伸ばされるかのように伸ばされて、どんどん波長が長くなっていきます

 

そんな年表だって、本当に正しいかどうかはわかりません。これから時代がもっと先になって、次の世紀になって、人類が本当の意味で宇宙に出るようになると、いま正しいと思われていたことが、「いやぜんぜん違いました」と、すっかり書き換わる可能性もあるわけです。でもそれは科学の欠陥でも何でもなくて、どんどん書き換えられていくことこそ、科学本来の姿だと、僕は思っているんですよね。

 

本書から得た気づき

実はスカスカ

目に見えるあらゆる物質は実はスカスカであることを学んだ。単に力が弱いだけで10万分の1にまで小さくなるという。

また極限まで圧縮するとブラックホールになるといい、地球は半径8.9mmにしたらブラックホールになる。ブラックホールは光の速さでも抜け出すことが不可能なため、全てが飲み込まれて脱出できないのである。

 

未来へ行く方法

物理法則などを学ぶことで未来に行く方法が2つあることがわかった。1つ目は、光速に近い速度の乗り物で移動すれば、地球の時間よりも遅くなり未来へタイムスリップできる。

2つ目は、重力が強力な場所に行ってしばらく留まり、地球に戻ればタイムスリップできる。なぜなら重力が強い場所ほど時間の進む速度は遅くなるからである。

 

実践ポイント

宇宙を知ることは面白いし、価値観が変わる

単純に宇宙は興味深いし面白いだけではなく、自分の考え方や価値観が変わる。本書でもあったが宇宙に関することはあらゆる説や解釈があり書き換わることもあるため、日頃から学んでキャッチアップしていたい。

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